当研究室では微細加工技術を基礎技術として、生物学/化学応用を企図したマイクロシステムの研究を行っています。現在進行中のプロジェクトは大きく分けて、以下に示す、生き物のように能動的に動く生体適合集積電子回路技術(Kinetic Electronics)をベースとした生体適合フィルム状マイクロロボット技術、そしてBioMEMS技術による生物学実験用マイクロデバイスの開発を主に行っています。そのほかにも微細加工技術をベースとした探索的なマイクロシステム・製造技術の研究も行っています。
[研究テーマ1] 生き物のように能動的に動く生体適合集積電子回路技術(Kinetic Electronics)
電子回路と駆動系が一体となった、いわば動く電子回路と呼べる生体適合・集積微小ソフトロボット作製技術を開発します。開発中のデバイスは柔軟なアクチュエータ複合材料薄膜を基板とし、モノリシックプロセスで作製され電気信号で駆動します。このためリソグラフィー精度の微小化が可能です。細胞サイズ(μmスケール)のロボット構造微小化を目標とし、細胞レベルでの生体-機械インターフェースや、大規模集積化した微小生物学実験装置の構築を目指しています。

[研究テーマ2]BioMEMS技術による高密度集積型生物学実験用マイクロデバイス
HIV治療薬や抗生物質、抗寄生虫薬、そして耐熱酵素など微生物由来の有用物質は人類の生存と繁栄に重要な役割を担ってきました。これまでに発見された微生物は全体のわずか1%以下と推定されており、新規有用微生物の探索は世界中で激しい競争の元、精力的に行われています。一方、現在の微生物学研究、細胞生物学で用いられている細胞培養機器の多くは150年以上前に開発されたものであり、改良の余地を多く残しています。遺伝子資源ともよべる膨大な微生物種とその生理的機能の多様性を解明し利用するためには、従来とは桁違いの数のサンプルを処理可能な微生物分離・培養・解析システムの構築が必要です。本プロジェクトではBioMEMS技術を用いて、1プレートで10万-100万単位の単離培養・分析・保存を可能とする次世代の細胞生物学研究用デバイスを開発しています。

研究プロジェクトの獲得した競争的資金(代表のみ記載, 過去含む)
そのほか本研究室所属の博士後期課程学生もJSPS 特別研究員に採択されるなど所属学生のグラント応募も奨励しています。